日本には謙遜の言葉がたくさんありますね。
この言葉もその一つです。
「ほんのお口汚しですが。」
今この言葉を使える人がいるでしょうか。
「お口汚し」というのは、口の中を汚すまずいものという意味ではなく、
口の中を汚すだけのほんのわずかな量という意味です。
お土産を買ってきて人様に差し上げるとき、
お酒の肴としておつまみを出すとき(大皿ではなく小皿料理)、
などに使います。
そろそろバレンタインを意識する時期になりました。
手作りのチョコレートやクッキーなどを
「ほんのお口汚しですが。」
と言いながら、
チョコレートやクッキーの大好きな年長者や目上の方にお渡ししたら、
お口に合わないかもしれませんが、
心を込めて一生懸命作りましたので、
どうぞ召し上がってくださいね、
という謙遜を込めた表現になります。
同世代の友達に使うにはちょっと不向きかもしれません。
でも、知っておくと、いざという時には
さりげない奥ゆかしさを発揮できると思います。