たしなみの言葉14「紅を差す」


最近「紅を差すという言葉をあまり使わなくなりました。

リップスティックを使って「口紅を塗る」「ルージュを塗る」

というのが今では一般的な表現になっていますね。

現在普通に使われている言葉は「口紅を塗る」ですね。

「ペンキを塗る」ごとく、

平面的に均一に仕上げるようなニュアンスがあります。

江戸の時代、紅は高価なものでした。

江戸女性は地味な着物に決め色の赤をどこかに身にまとい、

顔はスッピンに赤い紅を引く。

それがお洒落だったようです。

紅は、自分の指を使って、

しかも普段あまり使わない薬指を「紅差し指」として

使っていました。

紅は「塗る」ものではなくて、

「差す」ものであり、「引く」もの。

紅を差すと、顔が一瞬にして

ぱっと華やかになります。

お化粧をしている本人の心が浮き立つ瞬間です。

合わせ鏡を使って身支度を整えて、紅を差す女性の光景は

ほんのりとした色気をイメージさせてくれますね。

こんな仕草をするのは舞妓さんでしょうか。

お化粧も女性のたしなみ。

「紅を差して、」

今週も明るくスタートしましょう。

赤い花


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