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たしなみの言葉15「お似合いですね」

時々お会いする方でも、

同じ場所でともに仕事をしている方でも、

全くお話をしたことがないという方がいるものです。

今日こそは自分から一言、何かを切り出してその方と会話をしたい。

そんなことがありますね。

そんな時、

その方の装いを褒めてみたら、いかがでしょうか。

 

「その色、お似合いですね。」

「春らしい素敵なピンクですね。」

 

すると、相手の方は、

「あら、派手かしら・・。」

「実は娘からのプレゼントです・・。」

などと、ちょっとてれながらも、笑顔でこたえてくれます。

 

人々はみな日々装いをします。

話のきっかけに、

心からの自分の言葉で、

相手の装いについて語ったとき、

新しい交流のきっかけが生まれますね。

 

内気でなかなか自分から切り出せないなあと

思う方も、

思い切って相手に語りかけることで、

コミュニケーションがそこから始まるものです。

 

「お似合いですね。」

 

「装い」への言葉、

今日も相手の方に思い切って語りかけてみませんか。

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たしなみの言葉14「紅を差す」


最近「紅を差すという言葉をあまり使わなくなりました。

リップスティックを使って「口紅を塗る」「ルージュを塗る」

というのが今では一般的な表現になっていますね。

現在普通に使われている言葉は「口紅を塗る」ですね。

「ペンキを塗る」ごとく、

平面的に均一に仕上げるようなニュアンスがあります。

江戸の時代、紅は高価なものでした。

江戸女性は地味な着物に決め色の赤をどこかに身にまとい、

顔はスッピンに赤い紅を引く。

それがお洒落だったようです。

紅は、自分の指を使って、

しかも普段あまり使わない薬指を「紅差し指」として

使っていました。

紅は「塗る」ものではなくて、

「差す」ものであり、「引く」もの。

紅を差すと、顔が一瞬にして

ぱっと華やかになります。

お化粧をしている本人の心が浮き立つ瞬間です。

合わせ鏡を使って身支度を整えて、紅を差す女性の光景は

ほんのりとした色気をイメージさせてくれますね。

こんな仕草をするのは舞妓さんでしょうか。

お化粧も女性のたしなみ。

「紅を差して、」

今週も明るくスタートしましょう。

赤い花


たしなみの言葉13「いましがた」

ちょっと古風な言い方ですが、

「たった今」「ほんの少し前」ということを

「いましがた」

と表現していみたらいかがでしょう。

「いましがた」「今し方」

「し」は強調のための助詞で、

「方」は時間的な方向の意味合いから頃、時節のこと、

「今」は、この場合、ごく最近の過去のこと。

「いましがた電話がありました。」

「いましがた戻りました。」

など、メールなどのやりとりの中で使うと、

古風な品の良さや凛々しさなどが

相手に伝わります。

営業から会社に戻ったときに、

「たった今戻りました。」

と言うよりも、

「いましがた戻りました。」

「いましがた」を使うと、

話している自分自身も、

どことなく背筋がピンと伸びるような感覚になると思います。

「いましがた」

響きがいいですね。

使ってみませんか。

満開の桜と緑色の洋館


たしなみの言葉12「お心にかけていただき」

常日ごろ交流がある方に対して、

こんな言葉も素敵な表現ですね。

「日ごろは何かとお心にかけていただき、ありがとうございます。」

相手の方が年上の方だったり、

ビジネスで何かとお世話になっている方だったり、

ご近所の方だったり、などなど、

その方たちにこの言葉を使うと、その場が 和やかな雰囲気に満たされます。

お互いに笑顔で次の言葉やお願い事などもスムーズになりますね。

やはり、言葉は口だけではなくて、

心から真心の言葉を発することで相手の方に通じます。

相手の方に感謝の思いがあれば、

「お心にかけていただき、」

と、さりげなく出てくるでしょう。

大勢の周囲の人たちに支えられて生きていることに感謝を込めて、

広い範囲の知人の方に使える感謝の言葉、

 「日ごろは何かとお心にかけていただき、ありがとうございます。」

を、さりげなく使えたら最高ですね。

紫のサクラソウ


たしなみの言葉11「日ごろは何かと」

常日ごろ、相手の方と交わす言葉を大事にしたいものですね。

日常的に交流がある方に対して、

また、普段しばしばお仕事上で関わる方に対して、

「日ごろは何かとお世話になりまして、ありがとうございます。」

と、大事なお話の前に付け加えると、場が和らぎますね。

よく電話で挨拶代わりにはじめに交わす言葉として

「お世話になります。」と言いますが、

「日ごろは~」という言葉を入れると、より丁寧に聞こえます。

 

もう少しかしこまった表現だと、

「日ごろは何かにつけてご厚情を賜り、ありがとうございます。」

となります。いかがですか。

これは手紙にも使える表現ですね。

なごみのある美しいやまと言葉を、存分に使いましょう。

睡蓮黄


たしなみの言葉10「手を携えて」

手を携えて、やっていこうよ」

と、助け合って、ともに進もうよと、

 仲間同士に呼びかける言葉ですね。

使ったことはありますか。

 

もともと、

 「携える」は、移動するときに荷物などを手に持つことです。

ここに「手を」という言葉が入ると、

二人以上の人が手を取り合って進むという意味になります。

上下関係がなく、ある目標に向かってみんなでやっていく。

同じ夢を持つ人同士が、一人ではできないことをやっていく。

「手」という言葉は、人と人との温もりにあふれた言葉ですね。

ネットでのコミュニケーションが優先される時代だからこそ、

人と人とは直接会って、言葉を交わし、肌の温もりを感じ合う

ことの大切さをこの言葉は示してくれているように思います。

「手を携えて進もうよ。」

互いの温もりから発するエネルギーが大きく世界に広がっていくような感じがしますね。

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たしなみの言葉9「遅ればせながら」

お友達の誕生日がうっかり過ぎてしまったことに気がついて、

「遅れてごめんなさい。お誕生日おめでとうございます。」

なんて、言っていませんか。

そんな時、

遅ればせながら、お誕生日おめでとうございます。」

と表現してみたら、いかがでしょうか。

「少し遅れてごめんなさい。」という気持ちがじんわりと相手に伝わります。

「遅ればせながら」の元々の意味は、

遅れて馳せ参じるということです。

つまり、大切な場にほかの人よりも遅れて駆けつけるということを意味します。

それが転じて、

きっかりした明確な日時の約束事ではなくて、

曖昧な約束事を少し過ぎてしまったときに使います。

丁寧な謝罪は仰々しいし、

かといって、何も言わないのもおかしい。

そんな時に使えますね。

「遅ればせながら、ありがとうございます。」

「遅ればせながら、ごちそうさまでした。」

柔らかい言葉ですね。相手の方も、気持ちがよくなります。

ぜひ使ってみてくださいね。

梅の花とじょうろ


たしなみの言葉8「恐れ入ります」

相手の方に褒められたとき、

「ありがとうございます。」

とよく使いますね。

でも、こんな言葉を使ってみてはいかがでしょうか。

「恐れ入ります。」

「恐縮です。」という言葉もありますが、

これより和らかい響きがありますね。

「恐れ入ります。」は、

相手に対して迷惑をかけて申し訳ないというニュアンスで日常使っているほうが多いですが、

相手の好意や褒め言葉に対してありがたいなあと感謝する思いで、

ぜひ使ってみてください。

「恐れ入ります。」

ほんの少し間をとってからこの言葉に口にすると、

「ありがとうございます。」よりも

和らかな響きの心地よさとともに、その人の品格を感じさせてくれますね。

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たしなみの言葉7「しっくりいかない」

どんなところでも、何が悩みかといえば、

それは人間関係だと思う人がほとんどでしょう。

「どうも、あの人好きになれない。」

「なんか、あの人おかしいよね。」

と、話が合わないとか、親しくなれないとか、

何となく虫が好かないとか、

いろんな印象を相手に持つものです。

 

別に喧嘩をしているわけではないのでしょうが、

つい人に愚痴をこぼしてしまいますね。

言葉に出すと、なおさら感情も強くなります。

そんなとき、こんな言葉を使ってみてはいかがですか。

「どうもあの人とはしっくりいかない。」

と。


何か感情的なものではなくて、客観的な感じがしませんか。

相手と違和感があったり、ぴたっといかなかたり、

調和がとれなかったりしたとしても、

「しっくり」を使うことで、

相手に歩み寄って、打開策をさがしてみようと、

そんな気持ちになれますよ。

いかがですか。

自分から歩み寄っていこうという思いは、尊いですね。

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たしなみの言葉6

同郷のよしみで、今度県人会の幹事になってくれないか。」

なんて言葉をよく耳にしますね。

「よしみ」「誼」と書いて、「親しく思う気持ち」も表しますが、

実際には単純に「縁があること」の意味に使われていることが多いようです。

あなたと私は縁がある、知り合いなのだから、

引き受けてほしいという、頼み事に使われています。

「誼(よしみ)」の本来の意味は「親しく思う気持ち」です。

頼み事に使うというより、自分の心情を表す言葉になります。

その思いを込めて、こんなふうに使ってみてはいかがでしょうか。

「誼を結ばせていただて、光栄に思います。」

「おかげさまで、誼を結ばせていただいています。」

と、目上の人と親しく交流している様子を会話の中で使えば、

敬意のこもった上品な表現になり、その方を尊敬している様子も伺えます。

このように、日本語の中には、敬語を使わなくても目上の人を敬う言葉があるのですね。

美しいです。

是非使ってみてくださいね。

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